移動平均線を使う際は、「価格は移動平均線に収束する」という移動平均線の特徴を活用すべきです。「買い時と売り時(移動平均線の具体的な使い方@)」のページでその解説しましたが、改めてここでそのおさらいしておきます。
移動平均線の基本的な使い方は非常に簡単です。移動平均線とは一定期間における価格の平均値を線で結んだものですので、その一定期間においては移動平均線の位置が価格のフェアバリュー(適正価格)となります。ですので、移動平均線より価格が大きく上に乖離していれば、フェアバリューより高い価格となっていることを示しますので、この場合は売りを考える所となります。
逆に、移動平均線より価格が大きく下に乖離していれば、フェアバリューより安い価格となっていることを示しますので、この場合は買いを考える所となります。これは「価格は移動平均線に収束する」という移動平均線の特徴を使った売買方法となります。
これが移動平均線の基本的な使い方の一つです。ただ、この移動平均線の特徴を間違って使ってしまうケースもありますので、ここでその例を紹介します。
移動平均線は、サポートラインやレジスタンスラインとしても意識されます。
移動平均線は一定期間の価格の平均値を線で結んだもので、一定期間における価格のフェアバリュー(適正価格)となりますし、「価格は移動平均線に収束する」という特徴があることから、移動平均線はサポートラインやレジスタンスラインとして使われることがあります。
これらは基本的な考え方としては間違っていないのですが、株式投資で成果を上げる観点からすると(少し言い過ぎかもしれませんが)間違っています。移動平均線をサポートラインとして買い出動してもあまり成果は望めません。
強い上昇基調に乗っている銘柄であれば押し目として買い時となることも多いですが、基本的には買い時はそこではありません。移動平均線を使った投資では、移動平均線から株価が下に大きく乖離した時が買い時となります。移動平均線は、価格にとってフェアバリューの位置ですので、価格は移動平均線の位置が心地いいのです。
よって、上昇していた価格が移動平均線の位置まで落ちてきたからといって、価格にとっては心地いい位置に戻ってきただけのことなので、そこからさらに移動平均線に乖離して上昇するにはかなりの力が必要となります。そこからさらに上昇するには、高値で逃げ遅れた投資家の売り圧力もこなしながら上昇していかなければならないので、かなりの買い需要を必要とします。
よって、移動平均線がサポートラインとして機能して、そこから上昇したとしても、大した上昇は望めないのです。むしろ、移動平均線から下に大きく乖離した時に買い出動した方が上昇する確率が高く成果が上がりやすいです。移動平均線から下に大きく乖離したということは、売り方の買戻しが入りやすくなりますし、価格の割安感から買い需要も増えやすくなりますので、上昇する確率が高くなるのです。株式投資の鉄則は「割安な株を買う」です。適正価格の株を買っても成果は上がらないのです。これを出来ないことが多いので注意しましょう。
ただし、これには気を付けておくことがあります。価格が大きく下落しているということは、その株式に悪材料が出たか、金融ショックなど外部環境が悪化したことが考えられますので、その点は注意して投資判断する必要があります。
→1から学ぶテクニカル指標(姉妹サイト「投資戦略」より)
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