オシレーター(Oscillator)とは、”変動”や、振り子の”振動”・”振幅”を意味しますが、オシレーター系指標は、価格の動向を一定の法則に基づいて数値化し、これから価格がどのように変動するか、上下どちらに振れるのか、その強さはどれぐらいかを測ろうとする指標です。これまでの価格の変化を見て、その勢いの強弱を推計し、数値として表してくれる指標です。
そんなオシレーター系指標の中で最も基本的な指標が「モメンタム」です。 モメンタムは「勢い」という意味ですが、オシレーター系指標は相場の勢い(モメンタム)を測っている指標ですので、オシレーター系指標を学習する場合、まずはオシレーター系指標の「モメンタム」を学習するのが一般的です。もちろん、相場の勢い(モメンタム)は、他のオシレーター系指標でも見ることができ、それぞれ分析の有効な手段となりますが、シンプルな計算式で表される「モメンタム」は、オシレーター系指標の基礎に位置付けられます。
それでは、ここからオシレーター系指標の「モメンタム」の解説に移ります。
モメンタムは、「モメンタム」と「シグナル」の2本の線で表されます(トレードツールによっては「モメンタム」だけの場合もある)。
モメンタムの「シグナル」とは、モメンタムを過去数日で平均したものです。
モメンタムの「モメンタム」と「シグナル」の見方と使い方は以下の通りです。
「モメンタム」は、日足の場合であれば10日、「シグナル」は3日の設定を使うことが多いです。または25日の設定を使うことも多いです。週足では9週や13週の設定にするのが一般的です。
日数の設定は、感応度に影響します。10日間のモメンタムは25日間のモメンタムより短期の相場の変動を捉え、小さな相場の上下動を反映したものとなります。
モメンタムとは、価格の変化の比率やスピードのことです。すなわち価格の「勢い」です。モメンタムが強いということは、上がっているから買う人が多くなっているということを指します。しかし、一旦モメンタムが弱くなってくると、買いに回っていた人たちが決済を行ってくるので、下げがキツくなりやすくなります。ゆえに、モメンタムが弱くなってきた時は、相場は調整しやすくなります。株価が高値更新しているのにモメンタムが弱まっているなどすればダレやすくなるので確認しておきたいです。
オシレーター系指標は、価格が変化する幅や比率に着目したもので、モメンタムの概念を基にしたものです。ゆえに、他のテクニカル指標を見る際は、モメンタムと一緒に見ると効果的になりやすいです。他のテクニカル指標でもモメンタムでも同じシグナルが出ている時は、その方向についていけば勝率は上がると言えます。
価格が上昇傾向にあればモメンタムはプラスの値を取り、下降傾向であればマイナスの値を取りますが、価格の上昇、または下降のトレンドと、オシレーター系指標の方向が反対になるダイバージェンスやコンバージェンスの「逆行現象」が起こることがあります。つまり、価格が高値を更新している上昇トレンドなのに、モメンタムが切り下がっているような状況です(ダイバージェンス)。これは、その上昇トレンドのモメンタム(勢い)が弱まっていることを示し、間もなくそのトレンドが転換することを示しますので、逆張りのシグナルとして使われることが多いです。
ただし、この逆行現象は、トレンドの最終段階だけで出現することは稀で、上昇トレンド(下降トレンド)中に頻繁に出現してシグナルを出します。また、そのトレンドが支配的であれば、短期的に機能したとしても多くのだましシグナルとなりやすいので、それだけでトレードの判断をしない方がいいです。
つまり、ダイバージェンスやコンバージェンスを確認してから、短期の移動平均線をローソク足が抜いてきたり、トレンドラインを割る等のトレンドの転換を確認してから仕掛けた方が精度は高まると思います。
詳しくは、「ダイバージェンスとは(見方と使い方)」「コンバージェンスとは(見方と使い方) 」を参照してください。
→1から学ぶテクニカル指標(姉妹サイト「投資戦略」より)
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