ROCは、モメンタムと同種のもので、モメンタムと同じ数値を、引き算ではなく割り算で求めて計算します。
モメンタムの計算式は以下の通りです。
ROCの計算式は以下の通りです。
上記のモメンタムとROCの計算式からすると、モメンタムは値動きの幅を取ったものなので、値動きによって数値が大きく変わってきます。ROCはこの点を是正したもので、過去の価格からの値上がり(値下り)率を示したものです。
ROCの設定(パラメーター・上記のROCの計算式の「N」の設定)は、10日、15日、20日、21日、25日などが一般的です。特に、10日、25日はよく使われます。
上記は日足での設定になりますが、ROCは週足以上でも使われます。ただ、設定(パラメーター)の計算期間を長くすれば長くするほど、その間に価格の変動は大きくなりますので、ROCも大きく動くことになります。
ROCの基本的な見方は以下の通りです。
ROCの基本的な買いシグナルと売りシグナルは以下の通りです。
また、価格の動きには、上昇や下落・横ばい(持ち合い(保ち合い))の状態がありますが、価格が短期間で極端に上下に振れることはそんなに起こりません。一方、極端に上下に振れた場合は、その反動が起こる可能性が高まります。ゆえに、ROCは極端に大きく振れにくいですが、極端に振れた場合は、その反動を警戒しておく必要があります。
さて、上記の「極端に」というのは、対象銘柄によって水準は異なりますので、過去の推移を見て判断します(設定(パラメーター)の計算期間によっても水準は異なります)。
例えば、過去にROCが±5%の間で推移していたのであれば、5%以上・-5%以下が極端な位置と判断できますし、過去に±20%の間で推移していたのであれば、20%以上・-20%以下が極端な位置と判断できます。
ゆえに、
一般的にはこの見方になりますが、過去の水準の上限・下限で反発するとは限らないので、その水準を目安に反発・反落を確認してから仕掛けた方がいいです。
テクニカル指標は一つだけで売買判断をしない方がいいので、例えば、ROCが過去の水準の下限に達した所で、5日移動平均線を見て、ローソク足が5日移動平均線を陽線で明確に抜いてきたら短期のトレンドが転換した可能性が高まりますので、その時点で買いを入れる、といったトレードの方が精度が高まりやすいです。厳密に言えば、これは正確な逆張り(ぎゃくばり)ではありませんが、短期のトレンドの転換がなければ、反転するかわかりませんので、信頼度を高めるためにも使った方がいいと思います。
このことから、以下のような売買タイミングも効果的になりやすいです。
ROCはオシレーター系指標ですので、価格のトレンドとオシレーター系指標の方向が反対になるダイバージェンスやコンバージェンスの「逆行現象」が起こることがあります。つまり、価格が高値を更新している上昇トレンドなのに、ROCが切り下がっているような状況です(ダイバージェンス)。これは、その上昇トレンドのモメンタム(勢い)が弱まっていることを示し、間もなくそのトレンドが転換することを示しますので、逆張りのシグナルとして使われることが多いです。
ただし、この逆行現象は、トレンドの最終段階だけで出現することは稀で、上昇トレンド(下降トレンド)中に頻繁に出現してシグナルを出します。また、そのトレンドが支配的であれば、短期的に機能したとしても多くのだましシグナルとなりやすいので、それだけでトレードの判断をしない方がいいです。
つまり、ダイバージェンスやコンバージェンスを確認してから、短期の移動平均線をローソク足が抜いてきたり、トレンドラインを割る等のトレンドの転換を確認してから仕掛けた方が精度は高まると思います。
詳しくは、「ダイバージェンスとは(見方と使い方)」「コンバージェンスとは(見方と使い方) 」を参照してください。
→1から学ぶテクニカル指標(姉妹サイト「投資戦略」より)
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