標準偏差は「価格の動きの範囲だけではわからない価格の広がり方を数値で表した指標」と言っても、意味がわからないと思いますので、例を使って簡単に解説します。
例えば、ある銘柄の株価が、4月に500円を中心として、100円から900円の間で推移していたとします。その銘柄は、5月も500円を中心として、100円から900円の間で推移していたとします。
この情報だけだと、この銘柄の株価は4月も5月も同じように推移していたんだな、ということはわかりますが、4月と5月の値動きの違いがわかりません。これが「価格の動きの範囲だけではわからない」ということです。
そこで以下の図を見てください。
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横軸は株価で、縦軸は確率密度ですが、わかりにくいので、”上に行くほど高確率である”と考えてください。
このように図で見ると、4月より5月の方が全体的に価格の広がりがあるんだな、ということがわかると思います。これが標準偏差が示すものです。標準偏差は数値で示されますので、例えば、標準偏差が6の場合と、標準偏差が2の場合であったとするなら、標準偏差が6の場合の方が価格の広がりが大きいことを示します。言い方を変えれば、標準偏差の数値の大小は広がりの大小に対応しています。図では、4月は突出していますが、標準偏差は、こういった距離のことを示したものではありません。広がりを示した数値です。
これが「価格の動きの範囲だけではわからない価格の広がり方を数値で表した指標」、つまり標準偏差です。
(例1)
日付 | 株価 | 株価の2乗 |
4月1日 | 200 | 40,000 |
4月2日 | 190 | 36,100 |
4月3日 | 190 | 36,100 |
4月4日 | 195 | 38,025 |
4月5日 | 205 | 42,025 |
計 | 980 | 192,250 |
(例2)
日付 | 株価 | 株価の2乗 |
4月1日 | 200 | 40,000 |
4月2日 | 198 | 39,204 |
4月3日 | 196 | 38,416 |
4月4日 | 195 | 38,025 |
4月5日 | 200 | 40,000 |
計 | 989 | 195,645 |
上記の(例1)と(例2)の表の株価の推移を見ると、(例1)の方が値動きに広がりがあることがわかります。すなわち、「ばらつき」ですが、(例1)は(例2)よりばらつきが大きいため、標準偏差が(例2)より大きな数値となっています。
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