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ダウ理論とは

ダウ理論とは






ダウ理論とは

  • ダウ理論(読み方:だうりろん|英語:Dow Theory)とは、チャールズ・ヘンリー・ダウ氏(米国のジャーナリスト・証券アナリストNYダウの考案者)が提唱したテクニカル分析の元祖とも言われている理論のことです。

ダウ理論の基本的な原理は、彼がWSJ(ウォール・ストリート・ジャーナル)に書いた論説で概要が示されましたが、1902年の死後に、WSJの編集者だったウィリアム・ピーター・ハミルトン氏が今日のダウ理論を作り、ロバート・リー氏によって広められました。 ダウ氏は、自ら「ダウ理論」と言ったことはなく、「ダウ理論」という言葉は、友人のサミュエル・アームストロング・ネルソンが言ったものだとされています。

ダウ理論は、1902年に出版された「株式投機のA・B・C」で、その全てが一冊にまとめられています。






ダウ理論の基本

ダウ理論では、市況や相場トレンドの情報を持った数多くの投資家の洞察力・行動が反映されるので、平均株価は全てを織り込む(反映する)としています。相場は、風船のように風のままに漂うのではなく、先読みや情報を有している投資家が、将来の価値まで株価を調整しているとし、株価の動きは過去ではなく、将来を反映するものであり、将来起こり得る影は前もってニューヨーク証券取引所(NYSE)に落ちるのである、としています。

また、株価には、3つの変動@長期トレンド、A訂正トレンド、B短期変動があるとしています。




@長期トレンド

長期トレンドとは、1年以上数年間に及ぶトレンドで、20%以上の変動を伴う大きな上昇・下降の運動としています。長期の上昇トレンドについては、株価の上昇のうねりが長いほど、株価は前の高値(たかね)より高くなり、反落の局面があっても前の安値(やすね)を割らず、高い水準で推移して上昇していくもの、としており、これを「強気市場」と呼んでいます。長期の下降トレンドは、この逆で、下げが前より低い水準で推移し、上昇局面でも、前回の天井の高さまで至らずに反落することとしており、これを「弱気市場」と呼んでいます。


強気市場」、すなわち、長期の上昇トレンドは、通常、3つの局面に分かれるとしています。

  • @第1局面
    将来を見据えた投資家が、悲観的な売りを拾い出し、売り圧力が弱くなる。それに伴って買いの指値注文(さしねちゅうもん)が切り上がっていく。取引自体は活発ではないが、短期の上昇時には出来高(できだか)が増加する。第1局面は買い集めの期間。
  • A第2局面
    第2局面では、堅調な上昇が示される。企業業績が改善し、それに伴って投資家の注意がひきつけられ、出来高も増加する。
  • B第3局面
    大衆が投資し始め、市場が活況する局面。好材料や良いニュースも出やすくなり、希望と期待で相場は沸く。この第3局面の最終段階では、投機が大きく増加し、出来高は増加し続けるが、エアポケットが出やすくなる。ボロ株などが活況する一方、一流の優良株はこの動きについていかなくなる。


弱気市場」、すなわち、長期の下降トレンドも、通常、3つの局面に分かれるとしています。

  • @第1局面
    将来を見据えた投資家が、企業収益の異常な高まりを警戒して持株を売っていく。出来高は高水準であるものの、上昇局面において出来高は減少傾向を示す。
  • A第2局面
    企業収益が減少し、景気が悪化して買いが少なくなってくる。売り方が優勢となり、株価は急落、出来高が増加し、恐慌状態になる。
  • B第3局面
    買いの投げが出る。数カ月前より割安になったと判断して買いを入れた投資家や、恐慌状態で買いを入れた投資家の投げ売りが続く。ただし、下落のテンポは次第に低下する。この時、一流の優良株は緩やかな下落が続き、ボロ株はいってこいになりやすい。弱気市場の最後は、考え得る最悪のニュースが全て相場に織り込まれた時に終了する。





A訂正トレンド

訂正トレンドとは、強気市場における反落、弱気市場における反騰の局面のことで、長期トレンドの動きを遮る動きとしています。訂正トレンドは、通常、3週間から数カ月続くとしており、長期トレンドの値幅の1/3は少なくとも下げる(上げる)としています。




B短期変動

短期変動とは、ダウ理論では通常6日以内の短期の変動のことを指します。ダウ理論ではこの変動に大きな意味はないとしていますが、投資家の注目は極めて高くなるとしています。




出来高とトレンド

ダウ理論では、出来高は、長期トレンドの方向に株価が動くにつれ、増加していく傾向にあるとしています。
強気市場の場合、株価が上昇した時に出来高が増え、下落した時には減少する。ただ、株価が下落した時に出来高が増えたら、近い将来、上昇トレンドが終わる可能性が高まる。
一方、弱気市場の場合、株価が下落した時に出来高が増え、上昇した時には減少する。ただ、株価が上昇した時に出来高が増えたら、近い将来、下降トレンドが終わる可能性が高まる。




横ばい(ライン)

相場が横ばいで推移することをダウ理論では「ライン」と言っていますが、横ばい(ライン)は、株価の変動が5%以内で2,3週間から数カ月続くとしています。この横ばいは、売りと買いが拮抗して、バランスがとれていることを意味し、この横ばいの上限を株価が上抜ければ強気のシグナルとなり、下限を下抜ければ弱気のシグナルとなる、としています。この横ばいは、横ばいの期間が長ければ長いほど、上抜け・下抜けの意味は大きくなる、としており、横ばいの状態を脱した時というのは、相場の勢いが強い、としています。




終値のみ考慮する

ダウ理論では、始値(はじめね)や安値・高値でなく、終値(おわりね)のみを考慮するとしています。ザラバの動きは考慮せず、終値は、その日、投資家が最後に評価した株価であり、この株価を見て翌日の投資を考えるため、終値がベースになるとしています。




トレンドの反転

ダウ理論では、トレンドはその反転が決定的になるまでは続くものとしています。強気市場も弱気市場も永遠には続かないが、トレンドが形成されれば、反転が起こり得るものの、相場の見方をすぐに変えて売買するより、トレンドの転換を確認してから売買した方が儲かることが多い。




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