通貨発行益は、狭義では「貨幣の発行利益」を意味しますが、広義では「中央銀行の国債の利息収入」を意味します。中央銀行の国債の利息収入とは、中央銀行が持つ国債から中央銀行が発行する同額の紙幣の差額のことです。
中央銀行(日本の場合は日銀(日本銀行))は、国債を裏付けとして銀行券(紙幣)を発行しています。要するに、中央銀行は銀行券を発行する対価として国債(手形の場合もある)を買い入れており、その国債や手形によって得られる利息を中央銀行は収入として得ています。この国債や手形によって得られる利息収入を通貨発行益と言います。
中央銀行は独占的に銀行券を発行できる銀行であるため、銀行券を発行することによって得られる中央銀行の利益は公共に還元しなければならない、としている国が多いです。そのため中央銀行の通貨発行益は、その一部を、またはその全てを政府に上納する仕組みとなっています。
ただ、政府が財政収入を享受するために中央銀行の通貨発行益をどんどん得るよう誘導してしまうと、紙幣増発に繋がって悪いインフレや財政規律が緩んでしまう恐れがあるため、使途に制限がかけられたり、中央銀行が行う公共サービスの原資として用いられます。
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