定量評価は、過去の運用実績を定量的に分析して運用評価を行うことです。例えば、ある期間のポートフォリオの実績の投資リターンを見て運用実績を評価するのが定量評価です。ただ、最終的な運用の成果を示す数値のみで判断するため、不確実な世界で考えられる多くの事象の1つ、つまり結果のみで評価することになります。そのため、その結果的な数値の背景にある多くの情報を見ていないことになり、定量評価では正確な運用の良否を判断することはできません。
この定量評価を補う評価方法として、定性評価があります。
定性評価は、投資リターンを生み出したポートフォリオ構築までの運用者の哲学や運用方針等の中に、運用者の能力を評価する基準を見出そうとする評価方法です。つまり、ポートフォリオ構築までの運用者の意思決定プロセスに着目して、構成要素ごとに評価するのが定性評価です。わかりやすく簡単に言うと、結果的な数値の判断ではなく、質的な側面から評価することです。投資信託(ファンド)などにおいては、投資信託を評価するアナリスト等が、その運用者の体制や哲学、運用方針等を分析して評価します。実際に運用者にインタビューをして定性評価することもあります。
これらのことから、定性評価はあくまで間接的であり、評価する側の主観が入ってしまうデメリットがありますが、結果的な数値のみで判断する「表面的な」定量評価を補うための評価方法として「質的な」定性評価が用いられます。
投資信託(ファンド)の評価は、この定量評価と定性評価の両方(パフォーマンス評価)が用いられるのが一般的です。つまり、定量評価と定性評価の長所を生かして、それぞれの端緒を補い、運用の成果を総合的に判断するのがパフォーマンス評価(総合評価)です。
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