VIX短期先物指数は、その特性上、時間の経過と共に下落します。株価が安定的でVIX指数が低い期間が継続した場合、VIX短期先物指数は下落します。
VIX短期先物指数を空売り(売りポジションを取る)したい場合、VIX短期先物指数に連動する投資信託(ETF(上場投資信託))を空売りするか、XIVすなわちVIX短期先物指数のインバース型のファンド(ETN)を買う方法があります。
VIX短期先物指数に連動するファンド(ETF)で有名なのは、「国際のETF VIX短期先物指数」
XIVのETNで有名なのは、日本では、2015年に野村証券が発行した「NEXT NOTES S&P500 VIX インバースETN」で、クレディスイスが2010年に発行した「ベロシティシェアーズ・デーリー・インバースXIXショートタームETN」も有名です。
「NEXT NOTES S&P500 VIX インバースETN」や「ベロシティシェアーズ・デーリー・インバースXIXショートタームETN」は、株式と同じように取引所で取引することができる金融商品で、VIX指数と逆の値動きになるよう設計されているため、信用取引や先物取引を行わなくても、VIX指数の売りポジションがとれるという特徴があります。VIX指数が下がれば利益が得られるというものです。これが「VIXショート投資」です。
ETNは、「Exchange Traded Note」の略称で、「Note」とは債券のことです。これは、特定の指標に連動することを発行体である金融機関が保証する債券であることを示しています。ETF(上場投資信託)のように、取引所に上場されており、流動性が低い指数や商品を取引できる利点があります。また、ETFとは違って、証券に対する裏付けの現物資産を持っていないため、例えば、外国人規制がかけられている株式や希少資源など現物資産の保有がしにくい指標でも投資が可能になる特徴があります。
一方、ETNは裏付けとなる現物資産を持たず、発行体である金融機関がその信用力をもとに発行するため、発行体の財務悪化や倒産などにより、ETNの価格が大きく変動したり、無価値となるリスクがあります。また、流動性リスクを抱えていることが多く、取引量が少ない場合は、特定の指標の市場実勢から見込まれる価格で取引できないこともあります。
「NEXT NOTES S&P500 VIX インバースETN」や「ベロシティシェアーズ・デーリー・インバースXIXショートタームETN」(XIV)で特に注意しなければいけないのは、事前に強制的に償還される条件が設けられていることです。前日比で20%以下の価格になれば、強制償還されます。すなわち、VIX指数が下がれば利益が得られる一方、VIX指数が急騰し、前日比で20%以下の価格になれば(前日終値から価格が80%以上下落すれば)強制償還されるため、膨大な損失が出るリスクがある金融商品です。
「NEXT NOTES S&P500 VIX インバースETNと「ベロシティシェアーズ・デーリー・インバースXIXショートタームETN」は、どちらも2018年2月6日にVIX指数が急騰したことを受けて強制的に償還(早期償還)されました。
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