ADRは、米国の投資家が国外の会社に投資できるように作られたもので、米国市場に上場する株式のような証券で、株式を所有しているのと同じ効力があります。ドル建てで譲渡が可能です。
米国では、外国の企業が発行する株式を売買するのに外国の株式をそのまま使用すると物理的な制約があることから、銀行が預託機関(預託銀行)となって株式を保管するとともに、これと引き換えに預託証書を発行しています。これがADRです。
世界の多くの企業が、このADRを利用して証券を発行し、米国市場に上場しています。これを利用して、日本から投資困難な国の株式に投資することもできます。ADRは、米国株式市場に上場している株式と概ね同じ開示基準が適用されています。日本企業では、1961年にソニーが初めてADRを発行しました。
米国でADRを発行する場合、「S1方式」と「S12方式」があります。
ADRは、ADRの対象の会社が関与せずに、米国の預託銀行が発行できるように法改正されました。それまでは、米国に株式を上場させたい会社が関与して米国の預託銀行が発行していましたが(スポンサー付きADR)、法改正によって、米国に株式を上場させたいと思っていない会社も、米国の預託銀行がADRを発行できるようになりました(スポンサーなしADR)。
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