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中立金利

中立金利


中立金利とは

  • 中立金利(ちゅうりつきんり)とは、経済に対して金融緩和的でも金融引き締め的でもない中立的な金利(経済の需要供給が均衡状態にある場合の実質金利)水準のことです。「自然利子率」「均衡実質金利」「Rスター(アールスター)」とも呼ばれ、インフレを考慮した実質利子率であり、中長期的に潜在成長率に連動するとされており、政策金利をどこまで上げるべきかを決める材料となります。米国における自然利子率は、金融危機前は2%程度でした。

    中立金利は、安全資産へ資金が向かっている場合や成長率・生産性が低下しているなどの場合は低下しやすく、逆の場合は上昇しやすいです。中立金利が低ければ、景気が後退した場合に政策金利を引き下げてもその効果が薄くなります。ゆえに、長期的な潜在成長率を高める財政や規制緩和の政策が必要とされています。米国では、テイラー・ルールが意識されやすく、テイラー・ルールでは、完全雇用状態にある場合の実質の中立金利は2%程度、目標インフレ率の2%で調整する前の名目の中立金利は4%程度とされています。




政策金利と中立金利の関係

政策金利の長期的な均衡水準は、「中立金利+目標インフレ率」とされています。政策金利の長期的な均衡水準は、FOMC(連邦公開市場委員会)における長期的な政策金利見通し(中央値)が目安となります。中立金利は、例えばFOMCにおいて長期的な政策金利見通しが3%であったとして、目標インフレ率が2%であったなら、FOMCが想定する中立金利は1%となります。中立金利の水準が低いと政策金利の均衡水準も低くなり、政策金利の引き上げは限定的になります。中立金利が低い状況(潜在成長率が低い状況)で利上げをどんどん進めれば景気を一気に冷やす可能性があります。



中立金利の調べ方

政策金利の長期的な均衡水準は、FOMCにおける「長期的な政策金利見通し(中央値)」が目安となりますので、想定されている中立金利を調べるにはまずそれを見る必要があります。FOMCにおける「長期的な政策金利見通し(中央値)」は、FOMCメンバーが適切と考える米国の政策金利「フェデラル・ファンドレート(FFレート)」の誘導目標の水準をドット(点)の分布で示した散布図「ドット・チャート(dot chart)」の「FF金利の予想分布」を見ます。

「FF金利の予想分布」は、姉妹サイトの「株式マーケットデータ」の「FF金利の予想分布(ドットチャートより)」のページで確認できますので参照してください。

例えば、「FF金利の予想分布(ドットチャートより)」のページの”2017年6月時点”を参考に解説すると、2017年6月時点においてFOMCは「長期的な政策金利見通し」を3.000%と想定していることを示しています。”19年末”の中央値の欄が”3.000%”となっていると思いますが、それが「長期的な政策金利見通し」です。

この「長期的な政策金利見通し」は、FRBが想定している”名目”でみた中立金利を示しています。”名目の中立金利”とは物価を加味していない中立金利ということです。
この時点において、FRBの目標インフレ率が”2.000%”であるとするならば、”実質”の中立金利は「3.000%−2.000%」で”1%”ということになります。”実質の中立金利”とは物価を加味した中立金利ということです。

これらを踏まえて、もう少し解説すると、例えば今後のFOMCで「19年末に実質の中立金利は1%にはならない、0.5%ぐらいじゃないか?」ってことになると、以後のFOMCで「長期的な政策金利見通し」が”2.500%”に引き下げられることになります。

ちなみに、FOMCが公表しているこういった「政策金利見通し」は、すべて短期金利の見通しを示しています。なぜなら、政策金利で誘導するのは短期金利であるからです。





実質金利と中立金利の関係

  • 実質金利が中立金利を上回ると経済が冷やされる
  • 実質金利が中立金利を下回ると経済が刺激される



動画で解説





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