「ロールダウン」とは、時間経過とともに利回り水準がイールドカーブの傾斜を転がるように低下して債券価格が上昇することをいい、ロールダウンによって期待される効果を「ロールダウン効果」といいます。「ロールダウン効果」は、「ローリング効果」とも呼ばれます。
例えば、米国の10年物の国債(米国10年国債(米10年債))を1年間保有したとすると、9年物の国債になります。そこで利回りが下がるとすると債券価格は上昇するので、投資の収益率は上がる、といった効果のことを「ロールダウン効果」といいます。イールドカーブが右肩上がりに立っていれば立っているほど、それは期待できます。すなわち、イールドカーブが立っているほど利回りの低下幅が大きく、債券価格の上昇が期待できるため、ロールダウン効果は大きくなります。
例えば、米国債に投資する場合、円をドルに換えて米国債に投資します。この際、ドルの調達コストが必要となりますが、ドルの調達コストは概ね日本との短期金利の差となります。
ロールダウン効果による利回りから、このドルの調達コスト分を差し引いた値が期待リターン(期待収益率)となります。
例えば、米10年国債がロールダウン効果を加味した場合に3%であったとして、ドルの調達コストが2%であったとすると、期待収益率は1%となります。この期待収益率が高いか低いかで、その国債への投資が魅力的か魅力的でないかが判断できます。
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