ユーロの価値が高まる(ユーロ高になる)時というのは、ユーロ圏の政治や経済が安定していたり、ユーロ圏の証券の利回りが魅力的だと考えられる時に高まりやすいです。ユーロが欲しいと思う人が増えれば(ユーロの需要が高まりユーロ買いが進む)ユーロの価値が高まる(ユーロ高になる)ことになります。
例えば、対ユーロ(ユーロ/円)の場合、1ユーロ100円から1ユーロ120円に為替レートが動いたとしたら、これは円安となります。円が100円から120円に上がって円が高くなっているように見えるので「円高」のように思えますが、これは円安です。
例えば、ユーロ圏でチョコレート1つが1ユーロで売っていたとします。1ユーロ100円の時はそのチョコレートを1つ買うのに100円出せば買えたのに、1ユーロ120円の時は120円出さなければ買えないからです。これは1ユーロ100円の時に比べて1ユーロ120円の時は日本円の価値が低下していることを示します。ユーロより日本円の価値の方が低いので、以前よりたくさんの円を支払わなければチョコレートが買えないのです。ゆえに、これは「円安」となります。
円安になる要因は様々ありますが、日本の経済状況が悪く、景気が減速し、円の価値が低下した場合、中央銀行の金融政策で金融緩和があった場合、日本と他国の金利差が拡大した場合、他国の通貨が強くなった場合などが基本的な要因となります。また、世界経済の先行き不安や地政学リスクが低下して、投資家が株式や新興国通貨など値動きの大きいリスク資産(危険資産)を買う「リスクオン」のムードになった場合は、円安になりやすくなります。
上記「円安とは」の解説は円安の解説ですが、同時に「円安ユーロ高」の解説でもあります。通貨ペアとは、交換する異なる二つの通貨のことです。外国為替とは、異なる通貨を交換することですが、交換するには必ず対(つい)になる二つの通貨が必要となります。これが「通貨ペア」です。円安ユーロ高というのは、ユーロ/円という通貨ペアにおいて、円の価値が低下してユーロの価値が高まっている、または、円の価値よりユーロの価値が高まっていることを示します。
例えば、 ユーロ/円の為替レートが100円から105円になったとすれば、これは円安ユーロ高です。逆に、100円から95円になったとすれば、これは円高ユーロ安です。
円安ユーロ高や円高ユーロ安は、基準となる為替レートがあるというものではありません。昨日、105円だった為替レートが106円になっていれば「昨日からユーロ/円の為替レートは円安ユーロ高に進んだ」といいますし、1時間前から106円→105円になったとすれば、「1時間前からユーロ/円の為替レートは円高ユーロ安に進んだ」といいます。
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