すなわち、基軸通貨とは「世界のお金」ということです。貿易の際、小さな国に輸出して、代金としてその国の通貨をもらっても仕方ない・・・ということが起きます。その場合、輸出する国にとっても輸入する国にとっても喜ばれる「世界のお金」があった方がいいだろう、ということで生まれたのが「基軸通貨」です。第二次世界大戦前の金本位制度の時代にはポンドが基軸通貨でしたが、IMFブレトン・ウッズ体制以降は、米ドルが基軸通貨となっています。
第二次世界大戦前の基軸通貨は、イギリスの「ポンド」でした。当時、世界の海を制していた大英帝国(イギリス)の通貨であるポンドは、貿易の際、ポンドでの決済をどの国も喜んでいました。しかし、第二次世界大戦で、イギリスはドイツやイタリアからの攻撃を受けて国力が落ちました。逆に、第二次世界大戦で本土が戦場とならなかったアメリカは国力をつけました。ヨーロッパは全域が戦場となったことで、ヨーロッパでの生産活動はできなくなっていました。そこで世界の国々は、アメリカに生産を依頼。アメリカにはたくさんの富が入ってくるようになったのです。当時、代金の支払いは「金(きん)」で行っていたため、アメリカにはたくさんの金が入ってくることとなりました。
1944年、世界の基軸通貨をどうするかの会議が開かれました。この会議で世界の基軸通貨は米ドルにしようという体制がつくられました(IMFブレトンウッズ体制)。この時に、米ドルの価値が「金1オンス=35ドル」と決められました(同時に、米ドルに対する各国の通貨の価値も決められました)。
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