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サブプライムローンとは(サブプライムローン問題とリーマンショックのわかりやすい解説)

サブプライムローンとは(サブプライムローン問題とリーマンショックのわかりやすい解説)






サブプライムローンとは

  • サブプライムローンとは、優良顧客より信用力が低い顧客を対象とした貸し付けのことです。「サブ」は”2番手”、「プライム」は”優遇・優良な”、「ローン」は”貸し付け”という意味で、サブプライム層を対象とした貸し付けのことです。



サブプライムローン問題とは

プライムローン」は、信用力のある優良な顧客への低金利の貸し付けでリスクは比較的少ない貸し付けですが、「サブプライムローン」は、返してもらえないかもしれないリスクのある顧客への高金利の貸し付けです。

米国では、2002年頃からこのサブプライムローンがどんどん拡がっていました。サブプライムローンは、貸し手はリスクが高いものですが、少人数ではなく大人数に貸し付けを行えば、数%の人が貸し倒れを起こしても利益が出る仕組みとしていました。米国でサブプライムローンが拡がった背景には、住宅ブーム(住宅バブル)がありました。1997年ごろから米国で始まった住宅バブルによって、米国の土地の値段はどんどん上がっていました。貸し手は、もし貸した相手がローンを払えなくなったとしても、値上がりしている土地さえ差し押さえておけば、いざという時その土地を売れば利益が出るので、貸し付けに抵抗はありませんでした。しかも、米国では土地を担保にしてローンを組むので、借り手側からしても、もしローンが払えなくなってもその土地を貸し手に引き渡すだけでそれ以上請求されることはないので、気軽にローンを組んでいました。サブプライムローンのように高金利なローンでも抵抗はなかったのです。このようにしてサブプライムローンは米国でどんどん拡がっていきました。

当初、このサブプライムローンは、住宅ローン会社が組んでいたものなのですが、企業はリスクを減らしていきたいものですので、住宅ローン会社は、手元にサブプライムローンのようなリスクを持っておきたくありませんでした。そこで、住宅ローン会社は、手元にあるサブプライムローンの「借り手からお金を返してもらえる権利「債権」を投資銀行に売りました。ここからサブプライムローンは様々な形に変貌していくこととなります。

住宅ローン会社からサブプライムローンの債権を買い取った投資銀行は、そのリスクを回避するために、その債権をもとに「住宅ローン証券」を作り出しました。”この証券を買えば、満期時に高金利がもらえますよ”という仕組みにして、銀行や金融機関に売りつけました。しかし、この証券は、サブプライムローンの債務者(個人)がローンを支払えなくなったら、ただの紙くずになってしまうものだったので、そんなリスクの高いものは銀行や金融機関は買いにくい。そこで投資銀行は、いろんな住宅ローン会社から買い取った債権を組み合わせて売ることにしました。一つの債権がダメになっても他の債権で補える仕組みとしたのです。そして、さらに株式社債などとも組み合わせて、パッケージ商品として売り出すことにしたのです。しかし、銀行や金融機関はそれでも買いにくいのでもう少し安全性の確証が欲しい。

そこで投資銀行は、そのパッケージ商品を格付け会社に格付けしてもらうように依頼しました。依頼を受けた格付け会社は、そのパッケージ商品を見て”リスクは少ない”として、「AAA」という非常に優良な格付けをしました。この格付けを得たことで、銀行や金融機関、企業や大学、地方団体にいたるまで、幅広くこのパッケージ商品は売れていきました。






リーマンショックとは

ですが、2006年、米国で住宅バブルがはじけました。それにより土地の値段は暴落し始め、サブプライムローンの債権(お金を返してもらえる権利)の価格も暴落しました。ほぼ紙切れ同然の価値となってしまったのです。その時、すでにサブプライムローンの債権はパッケージ商品となっており、様々な金融商品と組み合わされていました。そのため、そのパッケージ商品を持っている人たちは、サブプライムローンの債権の価値はなくなったのはわかるけど、パッケージ商品全体としてどれだけ損をしているのかわからない・・・という状態となりました。しかも、そのパッケージ商品の価値を計算するのにも相当時間がかかる・・・こういった状態の時、損害額がわからないので、人は極度に不安になります。そしてパニックが起こりました。

銀行や金融機関同士で疑心暗鬼が高まり、相手はこのパッケージ商品で大損してるんじゃないだろうか・・・大丈夫なのか・・・という状態が蔓延し、銀行同士でのお金のやりとりがストップしてしまいました。この動きは世界にも拡がり、お金の流れが止まってしまったのです。お金の流れが止まって困ったのは投資銀行であった「リーマン・ブラザーズ」でした。投資銀行は、プロの投資家からお金を集めてそれを運用して利益を出す銀行です。お金の流れがストップしてしまったので、リーマン・ブラザーズは資金を集めることができなくなってしまったのです。さらに、住宅ローン会社からサブプライムローンの債権を買取っていたのは投資銀行なので、”サブプライムローンでリーマン・ブラザーズは大損しているだろう・・・”と見られてお金が入ってこなくなり、経営破たんに至りました。

通常、大手の投資銀行(金融機関)が経営破たんしたら、経済に大きなダメージがでるので政府が助けるものなのですが、当時の米国の政権は共和党(ブッシュ)が握っていました。共和党は「小さな政府」を目指す党で、民間のことは民間に任せるスタンスです。よって、市場には介入せずリーマン・ブラザーズを救済しませんでした。






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