例えば、企業がある株式を1億円で買ったとします。その後、その株式が下落して決算期末に7000万円になったとします。この場合、企業はその株式を取得するために支出した1億円を会計帳簿に記載します。これが簿価です。
一方、時価は現時点での市場価格のことですので、この場合、時価は7000万円ということになります。
投資家の間で頻繁に使われる株価指標に「PBR」があります。PBRは株価をBPS(1株当たり純資産)で割って計算される株価指標です。帳簿上、企業の純資産は株主の持ち分なので、もし現時点で企業が解散したとすれば、株主は持ち株数によって企業の純資産を分配してもらえる、という観点から現在の株価が純資産と比べて高いのか安いのかはかる際に使われる株価指標なのですが、このとき気を付けておかなければならないのは、その純資産が時価で計算されているのか簿価で計算されているのか、ということです。
純資産は、貸借対照表の「資産」「負債」で計算されます。貸借対照表の資産と負債は時価ではなく簿価で記載されています。ゆえに、純資産も時価ではなく簿価で計算されますので、実際にそれだけの価値があるとは言えません。
PBRが1倍以下であれば株価は割安だと判断されますが、純資産は時価ベースでなく簿価ベースで計算されていることから、一概に1倍以下であれば割安だと判断できない、ということは注意しておかなくてはなりません。これらのことから、資産や負債、資本に関する株価指標などは、常に時価ベースで計算されているのか、簿価ベースで計算されているのかを注意深くチェックして投資の判断に繋げる必要があります。
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