ADXを算出するには「DX」を算出する必要があります。DXとは、+DIと-DIの差の絶対値を+DIと-DIをプラスしたもので割ったものです。つまり、+DIと-DIがどれだけ離れているかを示す指標です(+DIと-DIの詳しい解説は「DMI(方向性指数)の見方と使い方・設定(パラメーター)・テクニカル指標」参照)。
※|は、絶対値を示しています。式で||で囲まれた計算結果がマイナスで出れば、マイナスをとってプラスにします。
ADXは、DXを移動平均した指標です。
※Nは14日とするのが一般的です。
ADXは、通常「14日」で設定するのが一般的です(つまり上の計算式のNを14日にする)。これは、DMIの考案者であるJ・ウエルズ・ワイルダー・ジュニア
(J. Welles Wilder, Jr.)が、14日を使っていたことに由来しています。日本株でも合いやすい傾向があることから14日で設定することが多いです。ちなみに、より短期で設定する場合は「7日」や「8日」とすることも多いです。ただし、設定を短期とした場合は反応が早くなりますが、「だまし」となる可能性も高まります。
また、ADXに加えて「ADXR」を併用することも多いですが、一般的にはADXRはADXより長い日数で設定されることが多く、ADXを「14日」で設定した場合はADXRを「28日」に、ADXを「7日」や「8日」で設定した場合は、ADXRを「14日」で設定することが多いです。
ADXの計算方法から、ADXが上向きになるということは、+DIと-DIの差が上昇・下降に関係なく開いていることを示しています。つまり、ADXが上向きに転じた地点は値動きに勢いがついてきたことを示します。
ADXの見方は以下の通りです。
ただし、注意しておきたいのは、ADXが示すのはトレンドの強さ(勢い)です。ADXが上向きに転じたからといって上昇トレンドが発生する可能性が高まったということでなく、下降トレンドが発生する可能性が高まったのかもしれません。つまり、方向に関係なく、どちらかに勢いが出てきたのかを示すということです。ADXが示すのは方向ではなくトレンドの強さ(勢い)です。
ADXは、計算上、ゼロにはなりませんが、ADXが低水準で推移している時と、高水準で推移している時は注目ポイントとなります。
つまり、
注意しておきたいのは、ADXだけでは売買のシグナルとはならないということです。あくまで勢いがついてきたのかを判断するための指標ですので、あくまで目安です。つまり、ADXが上向きになってくれば、そろそろ勢いがついてきたか、下向きになってくれば、勢いがなくなってきたか、といったことを判断するための指標です。
ADXはDMIを構成する指標の中の一つであるため、DMIを構成する+DIと-DIという指標と一緒に見る必要があります。+DIと-DIは価格の方向性を示します。
+DIと-DIは価格の方向性を示します。詳しくは、「全体の振れ幅に対する方向性を持った動きの割合」ですが、+DIと-DIは、ともに0から100%の範囲で推移します。
+DIと-DIは、磁石の+と-のように、逆相関で動く特徴があります(ただし完全ではない)。ゆえに、+DIが上昇している時は-DIは低下しており、-DIが上昇する時には+DIは低下する傾向にあります。上向きの方向か下向きの方向か、+DIと-DIの5つでどちらのエネルギーの方が強いのかを示すのがDMIです。それに加えて、勢い(モメンタム)を表すのがADXです。トレードツールでDMIを表示させた時、±DIだけ表示されるツールもあれば、ADXを加えて3本で表示しているツールもあります。
それぞれの見方は以下の通りです。
→1から学ぶテクニカル指標(姉妹サイト「投資戦略」より)
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