財政政策は、金融政策と並ぶ経済政策の柱であり、社会インフラや国防、外交、教育などの公共財の供給や、歳入・歳出面の政策による所得再分配、経済の安定化などの役割を担う政策です。財政政策には、自動安定化装置と裁量的財政政策があり、裁量的財政政策は財政支出政策(歳出面からの財政政策)と減税政策(歳入面からの財政政策)があります。
財政政策は、国が財政を通じて、公共事業を拡大・縮小させたり、減税や増税などを行うことによって需要の拡大や縮小をはかる政策です(時に為替介入を行う場合もあります)。景気をよくするための財政政策は、赤字国債を発行しなければならないので、限界のある経済政策と言えます。
例えば、国が公共事業を増やせば、赤字国債は増えますが乗数効果によって社会にはその何倍かの効果があり、雇用も増え、景気がよくなって税収が増えるとされています(ケインズ経済学)。ただ、有効でない公共事業であれば乗数効果は薄まり、国の支出分が税収でまかなえず、国の借金が膨らむという問題点があります。
また、公共事業の財源として大量の国債を発行すれば、市中金利(市場金利)の上昇を招きます。国債を大量発行は、公的資金需要と民間資金需要に競合を生じさせ、民間への資金供給が押し出されることになります。民間の投資が抑制されるため、供給不足となり、インフレが起こりやすくなります。これを「クラウディング・アウト」といいます。経済への対策として行った国債の発行が、逆に民間の経済活動を抑制することになることもあるのです。この場合、金利上昇を抑えるために金融政策による緩和などで金利を下げる必要があります。
減税をすれば、実質的に国民の所得が増えますので景気には効果があります。米国では景気対策としては有効な手段として効果があるのですが、日本では少し事情が違います。日本は源泉徴収の形をとっているので、減税されてもその効果が国民に伝わりにくい面があります。減税されて給料が増えていたとしても、多くの人は給料の手取り金額しか見ないので、給料が減税分増えていても「残業したからかな?」と思って、減税の効果が薄れて消費が伸びないとされています。これに対して米国は、源泉徴収はなく確定申告を行ってこれだけの所得があったので、これだけの税金を払います、と自ら申告しますので、減税を実感でき、減税の効果が出やすいとされています。
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